日本はなぜ敗れるのか
- 日本には本社機能がない
という話を何年か前聞いたことがあります。(日下公人氏)日本は本社はアメリカに負けて、現場はアジアに負けたということでした。(1994年に日下さんは言っています。まだ中国が隆盛になる前ですから、この卓見力にほんと脱帽しますね。)
日本はトップのやるべき仕事をしていない、従って現場(工場の塀の中)だけが強く、トップは現場に下りて行ったり、部下の心配をする人がいい上司というカルチャーで、大局的な観点が欠けているからアメリカの本社に惨敗したんだという話だったと思いますが、今では当然のような話ですが10年前に聞いたときはすごいなーと思ったものでした。 - さて、日本にはもう一人の天才がおりまして、これは山本七平さんだとおもっておりますが、最近「なぜ日本は敗れるか」(山本七平著 角川新書)という本が評判で私も知り合いに聞いて早速買って読みました。実はこの本は1975年に雑誌に連載されて単行本になっていなかったものを今回出版したものです。
これが又すばらしい本で、第二次世界大戦敗北分析の本ですが、この本を読みますニ、第三次世界大戦(マネー敗戦)に負けた(なぜ同じ失敗を日本は繰り返すのか)という今の日本、日本人論が良く理解できます。(是非ご一読をすすめます。)
それにしてもこの原稿は30年前に書かれたものです。それでも今の時代にぴったりですからやはり天才なのでしょうね。
これを読みますと、日本人はつくづく懲りない民族(例えば最近の30兆円の円売りドル買い介入なども乃木大将の203高地の作戦とちっとも変わっていないと関係者から聞いたことがあります。これでは負けるはねー)なんだなーと思ってしまいます。
さてそのさわりを以下に述べてみます。(21か条にまとめています。)
ところで吉野君新婚生活はどうかね。
日本の敗戦の原因
- 精兵主義の軍隊に精兵がいなかった事。然るに作戦その他で兵に要求される事は、総て精兵でなけばできない仕事ばかりだった。武器も与えずに。米国は物量に物言わせ、未訓練兵でもできる作戦をやってきた
- 物量、物資、資源、総て米国に比べ問題にならなかった
- 日本の不合理性、米国の合理性
- 将兵の素質低下(精兵は満州、支那事変と緒戦で大部分は死んでしまった)
- 精神的に弱かった(一枚看板の大和魂も戦い不利となるとさっぱり威力なし)
- 日本の学問は実用化せず、米国の学問は実用化する
- 基礎科学の研究しなかった事
- 電波兵器の劣等(物理学貧弱)
- 克己心の欠如
- 反省力なき事
- 個人としての修養をしていない事
- 陸海軍の不協力
- 一人よがりで同情心がない事
- 兵器の劣悪を自覚し、負け癖がついた事
- バアーシー海峡の損害と、戦意喪失
- 思想的に徹底したものがなかった事
- 国民が戦いに厭きていた
- 日本文化の確立なき為
- 日本が人名を粗末にし、米国は大切にした
- 日本文化に普遍性なき為
- 指導者に生物学的常識がなかった事
今日の言葉
「無能なトップはライバル会社より怖い(バカな上官敵より怖い)」
[2004.07.20]



