税務行政のコペルニクス的転回
- 昔、怖いことは、「地震、雷、火事、おやじ、そして税務署」と言ったものです。
そのうちおやじが早々と脱落してしまいました。
今でも、怖いのは、税務署ではないでしょうか?
しかし、今度の政権交代で、税制改正大綱(平成22年度)を見る限り、オーバーに言いますと税務行政がコペルニクス的転回になります。
日本の税務署が大きく変わります。 - 結論的にいいます。
今年の税制大綱には、副題として「納税者主権の確立へ向けて」とあります。
私は30年以上この仕事をしていますが、こんな表現は初めてです。
今までは、民主主義社会にもかかわらず日本の税務行政は遅れているという批判がありました。いわば、江戸時代のお代官様の世界がまだ残っていたのですね。
ところが、この大綱では、納税者主権をうたっており、これを実施すれば、納税側が課税庁と同じスタート台に立てると考えてください。 - あくまで私の個人的結論ですが、
①税務調査が変わります。
今まで、無予告の調査がありました。でもこの大綱通り実施できれば、原則無予告の調査が無くなる筈です。(マルサは令状を持っていますから別です)
すると、無予告でマルサより怖いとされる、令状なしの「リョウチョウ」の調査はできないことになるのですね。
又、OB税理士のあっせんが全面禁止になります。ですから、これからは、いわゆる顔だけではダメで、納税側も理論武装が必要です。
一方では、審理が重要になりますので、税務署の審理経験者は、やめてからの花形でしょうね。
②税務訴訟が増えるのでは?
「国税不服審判所」の改革も大綱ではうたっています。又、納税者の勝率もあがるでしょうから、税務訴訟も増えるんでしょうね。
知り合いの税務訴訟を専門としている法律事務所では、つい数年までは全敗だったのですが、昨年は10件のうち6件が勝訴、勝率6割。今年は7割は勝てると豪語(笑)しています。
③権利だけではなく、義務も忘れないこと。
脱税の罰則がきつくなります。ほぼ罰則が倍になります。
昔は査察を受けた会社で、潰れた会社はない、大きくなると言われました。
でもこれからは、マスコミ、メディアの追及もきつくなります。
脱税は一番割の合わない商売になりますね。
ほんごうでした
[2010.05.12]



