ホーム > 知っておきたい税務キーワード > 第1回 グループ法人税制
日々の会計業務から非日常的な経営局面まで、会計人・経営者であれば、知っておきたい戦略税務の今を辻・本郷税理士法人の公認会計士・税理士が解説します。
グループ法人税制とは?
グループ法人の経営が一体的に進展している現状を考慮し、実態に即した課税を実現するために導入されました。グループ内法人間の取引について課税の繰延べ等を行う制度です。簡単にいうと、グループ企業間の取引は、ひとつの法人内の取引とみなし、課税をしないということです。税制改正により平成22年10月1日より施行されました。ここでいうグループとは、株式の100%保有関係のある法人間のことですが、この場合、同族関係者(6親等内の血族及び3親等内の姻族)が100%保有している法人間も含まれます。
成功事例
持株関係であるA社からB社へ土地(簿価4億円、時価10億円)を時価で売却した場合。
(下記図参照)

この場合、従来はA社に売却益6億円の40%相当の2.4億円の課税がされましたが、グループ法人税制施行後は売却益が繰延べられ課税がされなくなりました。
失敗事例
A社からB社へ土地(簿価4億円、時価10億円)を簿価で売却した場合。
この場合、A社の売却益6億円は繰延べられますが、低額譲渡と認定され時価と売却額との差額6億円について、A社は寄附金、B社は受贈益となります。その
結果、A社は寄附金が全額損金不算入、B社は受贈益が全額益金算入となり、B社に受贈益6億円の40%相当の2.4億円が課税されます。
グループ内法人間の寄附金についても改正により、受贈益が益金不算入になり、課税されなくなりましたが、相続税逃れを防止する観点から、受贈益の益金不算入はグループの株主の頂点が法人の場合に限られ、上記の図のように株主の頂点が個人の場合には対象になりませんので注意が必要です。
その他
相続対策として、従業員持株会に一部自社株を持たせている会社も多いと思います。この場合、従業員持株会の持株比率が発行済株式数の5%未満の場合には、従業員持株会の持株を除いて100%のグループの判定がされますので注意してください