ホーム > 知っておきたい税務キーワード > 第4回 事業承継
日々の会計業務から非日常的な経営局面まで、会計人・経営者であれば、知っておきたい戦略税務の今を辻・本郷税理士法人の公認会計士・税理士が解説します。
中小企業は、企業数では日本全体の9割以上、雇用では約7割を占めています。そのため、日本経済の発展には中小企業の安定した経営が欠かせません。
中小企業にとって大きな課題となっているのが、事業承継の問題です。中小企業の経営者の平均年齢はおよそ60歳と言われており、世代交代の時期を迎えていますが、多くの経営者にとって、事業承継の問題は解決されず悩みの種となっています。
事業承継の方法は、後継者がいるかどうかという観点から以下の3パターンに分類されます。
| 区 分 | 特 徴 | 問 題 点 |
| 1、親族内承継 |
・長期計画で後継者の育成が可能 ・相続等により株式を承継することが可能 |
・後継者の不在 ・相続人が複数いる場合には、経営権の集中が困難 |
| 2、従業員等への承継 | ・親族内承継と比較して、後継者候補を広く求めることが可能 |
・適任者の不在 ・後継者に株式取得資金が無い ・個人保証の引継ぎが困難 |
| 3、第三者へのM&A |
・広く後継者を求めることが可能 ・経営者は、会社売却による利益を得ることが可能 |
・買い手を見つけることが困難 ・株式が分散していると困難 |
具体的には、以下の内容等について検討・実行をします。
| 1、親族内承継 |
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① 後継者を選定し、関係者の理解を得る必要があります。 ② 後継者の教育が必要です。 ③ 安定した経営を行うためには、後継者に株式を承継する必要があります。そのためには、 遺留分に配慮しつつ、生前贈与や遺言等を活用します。 ④ 株式の承継時に生じる税金を納めるための資金手当てが必要です。生前贈与、相続時 精算課税贈与、金庫株、納税猶予制度などを有効に活用します。 ⑤ 株式が分散している場合には、集約を図る必要があります。 |
| 2、従業員等への承継 |
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① 後継者を選定し、関係者の理解を得る必要があります。 ② 株式の承継についての検討が必要です。後継者に経営権が承継されないと、安定した 経営に支障をきたす可能性があります。 ③ 経営権の承継にあたり、経営者の個人保証・担保を処理する必要があります。 |
| 3、第三者へのM&A |
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① 買い手候補を探します。 ② 買収条件(金額、手法、役員の処遇、従業員の雇用等)を交渉・決定します。 ③ 基本合意を締結します。 ④ デューデリジェンスの実行。 ⑤ デューデリジェンスの結果を受けて必要な手続きを行います。過去の法的問題等について の対応を求められたり、価格の修正を行うこともあります。 ⑥ 売買契約の締結、資金決済。 |
いずれの場合においても、その解決が非常に困難なものが多く、相当の準備期間が必要となります。何もしないでいると、
・後継者が見つからない
・株式が分散し、安定した経営を行うことができない
・納税のため、会社の重要な資産を処分しなければならない
ということになりかねません。早めの対応をご検討ください。