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知っておきたい税務キーワード

日々の会計業務から非日常的な経営局面まで、会計人・経営者であれば、知っておきたい戦略税務の今を辻・本郷税理士法人の公認会計士・税理士が解説します。

第5回 確定申告

 所得税の確定申告とは、その年の1月1日から12月31日までの1年間に生じた
所得の金額と、その所得に対する所得税額を計算し、翌年の3月15日までに申告を
行う手続きです。

 個人事業主の方にとっては毎年おなじみの手続きですが、大部分のサラリーマンの方は年末調整によってその年の所得税額が確定するため、確定申告は不要です。ただし、サラリーマンであっても次のような方については確定申告を行う必要がありますのでご注意下さい。
① 給与の年間収入金額が2,000万円を超える方
② 1か所から給与の支払を受けている方で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の
  合計額が20万円を超える方
③ 2か所以上から給与の支払を受けている方で、主たる給与以外の給与の収入金額
  と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える一定の方
④ 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている方    等
 なお、確定申告をする必要がない方であっても、確定申告をすることによって、その年に源泉徴収された所得税が還付される場合があります。以下のケースに該当するような場合は、確定申告をしたほうが有利になる可能性がありますので、是非ご検討下さい。
① 年間で医療費を10万円以上支払った方
② 国や地方公共団体等に対して寄付を行った方
③ 災害や盗難等で資産に損害を受けた方
④ 住宅ローン等を利用してマイホームを新築、取得、増改築をした方   等

 続いて、平成23年分の確定申告に関して、主なポイントをご紹介します。ここでは、扶養控除の改正と、平成23年3月11日に発生した東日本大震災に関する所得税法上の取扱いのうち主なものについて記載させていただきますので、ご参照下さい。

【扶養控除の改正】

 子ども手当の創設に伴い、扶養親族のうち16歳未満の方(年少扶養親族)の扶養控除が廃止されました。また、扶養親族のうち16歳以上23歳未満の方(特定扶養親族)については、高校の実質無償化が実施されたことにより、16歳以上19歳未満の方については所得控除額が38万円に引き下げられました。
 これらの改正は、平成23年分以後の所得税(住民税については平成24年分以後)につき適用となります。すなわち、今回の確定申告から取扱いが変わっておりますのでご注意下さい

5-1.gif

【震災による被害を受けた方の優遇措置】

 震災により住宅や家財に損害を受けた方は、損害金額に基づき計算した金額を所得から控除する方法(雑損控除)と、所得税の免除又は軽減による方法(災害減免法)のいずれか有利な方法で、確定申告を行うことにより所得税の優遇措置を受けることができます。具体的な要件や計算方法については下記をご参照下さい。

5-2.gif  雑損控除の適用を受ける場合には、確定申告書に雑損控除に関する事項を記載するとともに、災害関連支出の金額の領収を証する書類の添付又は提示が必要です。
 災害減免法の適用を受ける場合には、確定申告書に適用を受ける旨、被害の状況及び損害金額を記載して、原則として確定申告期限内に、納税地の所轄税務署長に提出することが必要です。

【個人の方が義援金等を支出した場合の取扱い】

 個人の方が義援金等を支出した場合は、その義援金等が国や地方公共団体等に対する一定のものであるときは、「特定寄附金」に該当し、以下の算式で計算した金額が所得の金額から控除されます。

5-3.gif  また、震災関連寄附金のうち、次に掲げるものについては「特定震災指定寄附金」として、寄附金控除(所得控除)との選択により、次の算式で計算した金額につき税額控除の適用を受けることができます。
① 社会福祉法人中央共同募金会の「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」として
  直接寄附した義援金等
② 認定NPO法人に対し、東日本大震災の被災者支援活動に特に必要な費用に充てる
  ために行った寄附金(その募集に際し、国税局長の確認を受けたものに限ります。)
5-4.gif
 寄附金控除の適用を受ける場合には、確定申告書に寄附金控除に関する事項を記載し、義援金等を支出したことが確認できる領収書等の書類を確定申告書に添付又は提示が必要です。
 税額控除の適用を受ける場合には、確定申告書に税額控除に関する一定の事項を記載し、領収書等を添付する必要があります。

 以上のように、東日本大震災による被害を受けた方、又は震災に関連する支援を行った方は、税制上の優遇措置が受けられる場合があります。
 「確定申告なんて自分には関係ないし、面倒くさそうだ」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、普段は確定申告になじみのない方も、ご自身が上記のような優遇措置の適用を受けることができないか、改めてご確認されてみてはいかがでしょうか。

第5回 確定申告

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